🧰 施工管理の種類

内装施工管理とは?店舗・オフィス・住宅の内装工事の仕事内容と必要な資格

内装施工管理とは、店舗・オフィス・住宅などの天井・壁・床の仕上げ、間仕切り、造作家具などの内装工事で、工程・品質・原価・安全を管理する仕事です。下地、ボード、クロス、床材などの専門工事会社を取りまとめ、図面どおりの仕上がりで引き渡します。

「内装施工管理」は法令上の区分名ではなく、求人での呼び方です。建設業法上、内装工事の多くは「内装仕上工事」に当たり、関係する代表的な国家資格は建築施工管理技士(2級は「仕上げ」の種別など)です。この記事では、対象となる工事と建物、建築施工管理との違い、関係する資格、仕事内容、工期と働き方の特徴、改修工事で確認したいこと、キャリアと求人の見方を整理します。

この記事の要点

  • 内装施工管理は法令上の区分名ではなく求人での呼び方。主に建設業法の「内装仕上工事」を扱う
  • 建築施工管理が建物全体を扱うのに対し、内装施工管理は仕上げの工程と、設備・建具・什器との取り合いが中心
  • 関係する資格は1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士(仕上げ)など。2級の「建築」「躯体」の種別は、内装仕上工事では合格後5年の実務経験が必要な扱い
  • 店舗やオフィスの改装は工期が短く、営業時間外の作業が入ることがある
  • 改修工事では、着工前の石綿(アスベスト)の事前調査など、既存の建物ならではの手続きがある

内装施工管理とは|対象となる工事

内装施工管理が扱うのは、建物の内側の仕上げをつくる工事です。建設業法上は主に「内装仕上工事」に当たります。

国土交通省の告示では、内装仕上工事は、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすまなどを使って建築物の内装仕上げを行う工事とされています。「建設業許可事務ガイドライン」の例示は次のとおりです。

  • インテリア工事
  • 天井仕上工事、壁張り工事、床仕上工事
  • 内装間仕切り工事
  • たたみ工事、ふすま工事
  • 家具工事(建築物に家具を据え付ける工事、家具の材料を現場で加工・組み立てて据え付ける工事)
  • 防音工事(建築物の通常の防音工事。ホールなど音響効果を目的とする構造的な工事は含まない)

内装の現場では、ほかの工事も並行して動きます。内装施工管理は、これらの工事との順番と納まりを調整する役割も担います。

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内装施工管理とは|対象となる工事
内装の現場で関わる主な工事建設業法上の工事の種類
天井・壁・床の仕上げ、間仕切り、造作家具内装仕上工事
照明・コンセント・電源電気工事
空調・換気・給排水管工事
ドア・サッシ・シャッター・自動ドア建具工事
ガラスガラス工事
塗装塗装工事

対象となる建物と工事の特徴

内装施工管理の現場は、店舗・オフィス・住宅・ホテルや病院などの施設と幅広く、新築か改装かで仕事の進め方が変わります。

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対象となる建物と工事の特徴
分野主な現場特徴
店舗飲食店・物販店・商業施設のテナント開業日が決まっていて工期が短い傾向。商業施設では館の工事規則に従う
オフィス事務所の新設・移転・レイアウト変更入居中の改装では、業務時間外の作業が入ることがある
住宅マンションの内装、リフォーム・リノベーション住まい手や近隣への配慮、マンションの管理規約の確認
施設ホテル・病院・学校など運営を続けながらの工事や、エリアごとに区切った段階的な施工

商業ビルのテナント工事では、ビル側と入居者側で工事の負担や発注先を分ける区分(いわゆるA工事・B工事・C工事)が使われることがあります。区分の中身はビルや契約ごとに異なるため、担当範囲を契約書と館の工事規則で確認します。

建築施工管理との違い

建築施工管理が基礎・躯体から仕上げまで建物全体を扱うのに対し、内装施工管理は仕上げの工程を受け持ち、短い工期の中で多くの職種の作業を回すのが特徴です。

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建築施工管理との違い
項目建築施工管理内装施工管理
対象建物全体(基礎・躯体・外装・内装・設備の取りまとめ)天井・壁・床・間仕切り・造作などの内装
工期新築は長くなりやすい改装など、短期間の案件もある
所属先の例ゼネコン、工務店、ハウスメーカー内装工事会社、店舗の設計施工会社、リフォーム会社
重視される点構造・躯体の品質、全体の工程仕上がりの見た目、色・素材の確認、設備・建具・什器との取り合い
関係する主な資格1級・2級建築施工管理技士(建築)1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士(仕上げ)など

新築の建物では、ゼネコンの建築施工管理が全体をまとめ、その中の内装工事を内装工事会社の施工管理が担当する分担がとられることがあります。建築施工管理の仕事は建築施工管理とはで解説しています。

関係する資格|建築施工管理技士の「仕上げ」

内装仕上工事の主任技術者・監理技術者に関係する代表的な国家資格は、建築施工管理技士です。2級は、第二次検定で選ぶ種別によって扱いが異なります。

2級建築施工管理技術検定の第二次検定には、建築・躯体・仕上げの3つの種別があります。国交省の「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日施行版)では、内装仕上工事について次のように示されています。

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関係する資格|建築施工管理技士の「仕上げ」
資格内装仕上工事での扱い(一覧による)
1級建築施工管理技士監理技術者等(特定建設業)になり得る
2級建築施工管理技士(仕上げ)主任技術者等(一般建設業)になり得る
2級建築施工管理技士(建築・躯体)合格後5年の実務経験で主任技術者等になり得る
1級建築施工管理技士補合格後3年の実務経験で主任技術者等になり得る
2級建築施工管理技士補合格後5年の実務経験で主任技術者等になり得る
1級建築士監理技術者等(特定建設業)になり得る
2級建築士主任技術者等(一般建設業)になり得る
技能検定(畳製作・内装仕上げ施工・表装)1級は主任技術者等になり得る。2級は合格後3年の実務経験が必要

実際に技術者として配置されるには、雇用関係、専任の要否、監理技術者資格者証や講習などの確認も必要です。2級の種別の選び方は2級建築施工管理技士、資格区分の全体像は建築施工管理技士(1級/2級)で解説しています。

受検に使う実務経験の数え方も確認が必要です。国交省の受検資格改正資料の対応表では、内装仕上工事は、1級建築施工管理と2級建築施工管理(仕上げ)の実務経験に対応する業種とされています。2級の「建築」「躯体」の種別には、内装仕上工事は対応づけられていません。内装の仕事を中心に続けるなら「仕上げ」、将来は建物全体も扱いたいなら1級も視野に入れて、受検の手引で確認しましょう。

令和8年度の2級建築施工管理技術検定(第一次検定〈後期〉・第二次検定)は2026年11月8日(日)に実施され、第二次検定の合格発表は2027年2月5日(金)の予定です。令和8年度の申込受付はすでに終了しています。

内装を含む建築系の求人は、得意分野と資格条件を確認して比較してください。→ 建築施工管理の求人を見る

内装施工管理の仕事内容

仕事の中心は、短い工期の中で多くの職種の作業順序を組み立て、仕上がりを図面・仕様と照合することです。担当範囲は会社や案件によって異なりますが、流れの例は次のとおりです。

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内装施工管理の仕事内容
段階主な仕事
着工前現地調査・採寸、図面と仕様(仕上げ材・色・品番)の確認、工程表の作成、館やマンション管理者への工事申請、近隣への案内
解体・下地既存の内装の撤去、間仕切り・天井の下地の位置と寸法の確認、設備の配管・配線との取り合いの確認
仕上げボード・クロス・床材・塗装などの施工管理、色や柄の確認、傷や汚れを防ぐ養生
設備・什器照明・空調・給排水の工事との調整、造作家具や什器の搬入・据付け
完了前社内検査・施主検査、手直し、清掃、引渡し書類の整理

仕上げは完成後に目に入る部分のため、色・柄・目地の通りなど、見た目の確認が多い仕事です。工程・品質・原価・安全の4大管理の基本は施工管理の仕事内容と共通です。

内装材には、防火上の制限がかかる場合があります。建築基準法第35条の2は、一定の用途・規模の建築物や、火を使う設備のある室などについて、壁と天井の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにすることを定めています(いわゆる内装制限)。使う材料が図面・仕様で求める防火性能を満たしているかを納品時に確認することも、品質管理の一部です。

工期と働き方の特徴

内装工事は、開業日や入居日から逆算して工程を組む案件があり、工期の短さが働き方に影響します。

  • 開業日・入居日が先に決まっていて、遅れを吸収する余地が小さい
  • 商業施設や入居中のオフィスでは、営業時間外(夜間・早朝・休日)の作業が入ることがある
  • 1件あたりの工期が短い分、複数の現場を並行して担当することがある
  • 資材の搬入時間や、音の出る作業の時間帯など、館や管理組合のルールに合わせる

夜間作業や休日対応の頻度は、会社と得意分野で大きく変わります。令和6年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されていますが、求人票の勤務時間だけでなく、夜間工事の頻度、代休の取り方、固定残業代の有無を面接で確認してください。

改修工事で確認したいこと

既存の建物の内装を改修する工事では、新築にはない手続きや確認が必要になります。

厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによると、建築物の解体・改修工事では、石綿(アスベスト)が含まれているかを事前に調査する必要があります。令和5年10月1日以降に着工する建築物の工事では、厚生労働大臣が定める講習を修了した者などが調査を行います。また、請負金額が税込100万円以上の建築物の改修工事などは、事前調査の結果を報告する対象です。

このほか、マンションでは管理規約や工事の届出、商業施設では館の工事規則、入居中のオフィスでは使用中のエリアとの区画や養生など、現場ごとのルールを着工前に確認します。

内装施工管理に向いている人

内装施工管理は、空間づくりに関心があり、細かな違いに気づきながら短い工期の段取りを組み替えられる人に向いています。

  • インテリアや空間づくりに興味がある人
  • 色・素材・寸法などの細かな違いに気づける人
  • 短い工期の中で、段取りを組み替えられる人
  • 施主・設計者・職人・館の管理者など、立場の違う人と調整できる人

接客・販売の仕事や設計事務所の補助、インテリア関連の経験は、施主との打合せや仕上げの確認で活かせる場合があります。未経験から目指す場合は未経験から施工管理になるにはを参考にしてください。

キャリアの広げ方

内装施工管理のキャリアは、建築施工管理技士を取りながら、担当できる案件の規模と種類を広げていくのが基本です。

  • 2級(仕上げ)から1級建築施工管理技士へ進み、監理技術者の資格要件に関係する資格を得る
  • 店舗・オフィス・住宅など、得意な分野を持つ
  • 小規模な改装から、大型商業施設や新築ビルの内装へ広げる
  • 施工管理の経験を活かし、設計・積算・営業などを兼ねる立場へ進む(会社による)

1級の受検資格や試験の概要は1級建築施工管理技士で解説しています。

求人を探すときの確認ポイント

「内装施工管理」という職種名だけでは仕事の中身がわからないため、次の項目を確認します。

  • 得意分野:店舗・オフィス・住宅・施設のどれが中心か
  • 立場:施主から直接受注する元請か、下請か
  • 担当範囲:内装だけか、設備・什器の手配や設計まで含むか
  • 働き方:夜間・休日作業の頻度、同時に担当する現場の数、出張の有無
  • 資格:2級(仕上げ)・1級の取得支援と、受検に必要な実務経験を積めるか

年収については、「内装施工管理」という区分の公的統計がないため、この記事では数値を示しません。建築施工管理全体の給与の見方は建築施工管理の年収をご覧ください。

まとめ

内装施工管理は、店舗・オフィス・住宅などの内装仕上工事を管理する仕事の呼び方です。関係する資格は建築施工管理技士で、2級は「仕上げ」の種別が内装仕上工事に直接対応します。工期が短く営業時間外の作業が入る案件もあるため、求人では得意分野、働き方、資格取得支援を確認しましょう。

内装を含む建築系の求人は、条件を確認のうえご覧ください。→ 建築施工管理の求人を見る

よくある質問

内装施工管理と建築施工管理の違いは何ですか?

建築施工管理が基礎・躯体から仕上げまで建物全体を扱うのに対し、内装施工管理は天井・壁・床・間仕切りなどの仕上げを受け持ちます。新築では、ゼネコンの建築施工管理が全体をまとめ、内装工事会社の施工管理が内装部分を担当する分担がとられることがあります。

内装施工管理に必要な資格は何ですか?

仕事を始める時点で一律に必須の資格はありません。内装仕上工事の主任技術者・監理技術者に関係する代表的な国家資格は建築施工管理技士で、国土交通省の資格一覧では1級が監理技術者等、2級(仕上げ)が主任技術者等になり得る資格とされています。

2級建築施工管理技士の「仕上げ」は内装の仕事に向いていますか?

内装仕上工事を中心に働くなら対応する種別です。国土交通省の資料では、内装仕上工事は2級(仕上げ)の実務経験に対応する業種で、資格一覧でも2級(仕上げ)は内装仕上工事の主任技術者等になり得るとされています。将来建物全体を扱いたい場合は、1級も視野に入れて検討してください。

内装施工管理は夜間の仕事が多いですか?

会社と得意分野によります。商業施設や入居中のオフィスの改装では、営業時間外に作業する場合があります。夜間工事の頻度、代休の取り方、固定残業代の有無を求人票と面接で確認してください。

未経験から内装施工管理になれますか?

未経験可とする求人もあります。最初に任される業務、教育担当の有無、資格取得支援の内容を確認して比べてください。接客・販売やインテリア関連の経験は、施主との打合せや仕上げの確認で活かせる場合があります。

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出典・参考

数値・制度は改定されることがあります。最新の情報は各出典の公式発表をご確認ください。