1級管工事施工管理技士は、空調・給排水・衛生など設備工事の現場で監理技術者の資格要件に関係する、設備系キャリアの頂点資格です。令和6年度(2024年度)の改正で、第一次検定は19歳以上であれば実務経験を問わず受検できるようになり、若手でも挑戦しやすくなりました。第二次検定の合格率が他区分より高め(令和6年度は76.2%、令和7年度も63.3%)なのが大きな特徴で、第一次さえ突破できれば一気に「技士」まで到達しやすい資格といえます。

この記事では、1級で何ができるか、受検資格(令和6年度改正後)、令和8年度(2026年度)の試験日程・手数料、合格率の推移、難易度と勉強時間、取得メリット(年収・手当・転職価値)を、公式データをもとに整理します。2級や受検資格全体の前提は管工事施工管理技士の概要記事もあわせてご覧ください。

この記事の要点

  • 1級は監理技術者・主任技術者等の資格要件に関係します。1級技士補が監理技術者補佐になるには別の条件があります。
  • 令和6年度(2024年度)改正後、第一次検定は19歳以上なら学歴・実務経験不問。実務経験は第二次検定で問われる。
  • 合格率(管工事1級)は第一次52.3%→38.7%、第二次76.2%→63.3%(令和6→7年度)。第二次が高めで、第一次がヤマ場になりやすい。
  • 令和8年度(2026年度)は第一次9月6日(日)・第二次12月6日(日)。受検手数料は第一次・第二次とも各12,700円(非課税、別途事務手続手数料250円)。

1級管工事施工管理技士で何ができるか

1級管工事施工管理技士は、対応する管工事で監理技術者・主任技術者等の資格要件に関係します。実際の配置には、担当工事との対応、実務経験、雇用関係、講習・資格者証など、役割に応じた条件の確認が必要です。施工管理技士は建設業法第27条に基づく国家資格で、管工事を含む7種目に1級・2級の区分があります(出典:国土交通省)。

建設業では、ほぼすべての工事(軽微なものを除く)に主任技術者の配置が必要で、一定規模以上の元請工事には監理技術者の配置が求められます。具体的には、下請代金総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の元請工事に監理技術者を置く必要があり、1級施工管理技士はこの監理技術者の資格要件に関係します。2級は主任技術者までで、中小規模の現場が中心です(出典:国土交通省)。この1級・2級の違いは施工管理の1級・2級の違いでも詳しく整理しています。

営業所技術者等としての扱いも、許可業種、一般・特定の区分、常勤性などの要件確認が必要です。資格だけで許可要件を満たすとは限らないため、建設業許可の手引や行政窓口で確認してください。

技士補・監理技術者補佐との関係

令和3年(2021年)4月の制度改正で、第一次検定の合格者に「技士補」、第二次検定の合格者に「技士」の称号が与えられるようになりました(出典:国土交通省)。つまり第一次検定に合格した時点で「1級管工事施工管理技士補」となり、第二次に合格すると「1級管工事施工管理技士」になります。

管工事における主任技術者の資格要件を満たす1級技士補など、法令上の条件を満たす人は監理技術者補佐として配置できる場合があります。監理技術者補佐を専任で置くことで監理技術者が複数工事を兼務できる制度にも、対象工事や配置方法などの条件があります。技士補の位置づけは施工管理技士の受検資格の記事でも解説しています。

受検資格(令和6年度改正後)

結論から言うと、第一次検定は年齢要件だけ、第二次検定で実務経験を問うのが令和6年度(2024年度)改正後の形です。令和6年4月1日施行の改正により、1級の第一次検定は当該年度末時点で19歳以上であれば、学歴・実務経験を問わず受検できるようになりました(出典:国土交通省)。設備業界に入って間もない若手でも、まず第一次合格で「技士補」を取れるのが大きな変化です。

第二次検定の受検資格は、1級第一次検定の合格後に、次のいずれかの実務経験などを満たすことが必要です(出典:国土交通省)。

  • 実務経験5年以上
  • 特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
  • 監理技術者補佐としての実務経験1年以上

ここでいう「特定実務経験」とは、請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の工事で、監理技術者・主任技術者の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験を指します(出典:国土交通省)。

なお、令和6年度から令和10年度(2028年度)までは経過措置期間で、第二次検定は旧受検資格と新受検資格を選択できます(出典:国土交通省)。すでに旧制度で実務経験を積んできた人は、有利な方を選べます。実務経験の数え方や未経験からの流れは受験資格の解説記事に、2級からのステップアップは2級管工事施工管理技士の記事にまとめています。

試験概要と令和8年度(2026年度)の日程・手数料

1級管工事施工管理技術検定は、知識を問うマーク式の第一次検定と、応用力・記述力を問う第二次検定の2段階です。実施機関は一般財団法人全国建設研修センターです。出題はおおむね「工学的知識」「施工管理法」「法規」の領域で構成され、第二次検定では経験記述を含む記述式が中心になります。出題分野や対策の型は一次検定・二次検定の対策記事で詳しく扱っています。

令和8年度(2026年度)の日程と手数料は次のとおりです(出典:全国建設研修センター)。1級はインターネット申込のみで、別途事務手続手数料250円(税込)がかかります。

項目令和8年度(2026年度)の内容
インターネット申込受付令和8年5月7日(木)〜5月21日(木)
第一次検定令和8年9月6日(日)
第一次合格発表令和8年10月8日(木)
第二次検定令和8年12月6日(日)
第二次合格発表令和9年3月3日(水)
受検手数料(第一次)12,700円(非課税)+事務手続手数料250円
受検手数料(第二次)12,700円(非課税)+事務手続手数料250円

出典:一般財団法人全国建設研修センター「令和8年度1級管工事施工管理技術検定 受検の手引」。日程・手数料は変更される場合があるため、申込前に必ず実施機関の最新情報をご確認ください。

他区分も含めた申込の流れや注意点は施工管理技士の試験日程・申し込み方法に、合格発表後の手続きや解答速報の確認先は解答速報・合格ラインの記事にまとめています。第一次検定の合格基準は得点率60%程度が目安です(年度・区分により調整あり)。

合格率の推移(令和6→7年度)

1級管工事の合格率は、年度ごとに変動します。第一次は知識量が問われ、第二次は記述式のため、出題傾向と経験記述の準備が重要です。令和6年度(2024年度)から令和7年度(2025年度)の公式合格率は次のとおりです(出典:全国建設研修センター)。

区分・検定令和6年度(2024年度)令和7年度(2025年度)
1級管工事 第一次検定52.3%38.7%
1級管工事 第二次検定76.2%63.3%

出典:一般財団法人全国建設研修センター 各年度合格者発表資料。令和6年度第一次52.3%(受検23,240人)、第二次76.2%(受検8,736人)。令和7年度第一次38.7%(受検23,826人)、第二次63.3%(受検6,886人)。合格率は年度により変動するため、受検前に実施機関の最新公表値をご確認ください。

令和7年度は第一次が38.7%まで下がり、第二次も63.3%とやや低下しましたが、それでも第二次は他区分より高めです。参考までに、令和7年度の電気工事1級は第二次69.6%、建築1級は第二次39.0%でした(出典:建設業振興基金)。区分横断の合格率比較は施工管理技士の難易度・合格率に、土木区分との比較は土木施工管理技士の難易度に整理しています。

難易度と勉強時間

結論として、1級管工事の難易度は第一次(マーク式の知識)がヤマ場、第二次(記述)は対策しやすい傾向です。合格率の推移を見ても、第二次が6割超と高いのに対し、第一次は年度により4割前後まで下がることがあるためです。

勉強時間の目安は、1級全般で約150〜300時間とされ、実務経験や得意分野によって変動します(2級は約100〜150時間)。第一次対策に2〜3か月、第二次の記述準備に1〜2か月をみておくと安心です。第一次は過去問を3〜5年分、最低3周反復するのが基本です。第二次は経験記述(工程・品質・安全管理など)が中心になるため、自分の現場経験を2〜3パターン整理して書ける状態にしておきましょう。

働きながらでも、1日30分〜1時間のスキマ学習を3〜4か月続ければ十分に届く水準です。具体的な進め方は過去問・勉強法、検定段階別の対策は一次検定・二次検定の対策を参考にしてください。

取得後に確認すること(手当・求人条件)

1級管工事施工管理技士は、対応する設備工事で監理技術者等の資格要件に関係します。実際の配置には工事内容、実務経験、雇用関係、講習受講などの条件確認が必要です。

資格手当は法律で一律に定められた制度ではなく、有無・金額・対象区分・支給条件は会社規程により異なります。手当の確認方法は施工管理技士の資格手当・将来性にまとめています。

厚生労働省の令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査では、建築技術者(男女計・企業規模10人以上)の年収は、きまって支給する給与と賞与から換算して約642万円でした。ただし、これは管工事区分や1級資格だけの効果を示す数値ではありません。区分別の年収の見方は管工事施工管理の年収に、年齢・役職・会社規模別は施工管理の年収ガイドで詳しく解説しています。

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仕事内容そのものを知りたい方は管工事施工管理とはを、未経験から設備の施工管理を目指す流れは求人特集とあわせてご検討ください。

よくある質問

1級管工事施工管理技士は未経験から受けられますか。

第一次検定は、受検年度末時点で19歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受検できます(令和6年度改正後)。まず第一次に合格して「1級管工事施工管理技士補」を取得し、その後に所定の実務経験を積んで第二次検定に進む流れが基本です。実務経験の数え方は受験資格の記事をご確認ください。

2級と1級はどちらから取るべきですか。

一般的には2級から取り、実務経験を積んで1級に進むケースが多いです。ただし令和6年度改正で1級第一次が年齢要件のみになったため、第一次だけ先に1級で受け、技士補として実務を積んでから第二次に挑む選択肢も現実的になりました。詳細は2級管工事施工管理技士1級・2級の違いを比較してください。

第二次検定の合格率が高いのはなぜですか。

管工事1級の第二次は、受検者が第一次合格者や実務経験者に絞られること、出題が経験記述中心で対策しやすいことなどから、合格率が高めに出やすい傾向があります。令和6年度は76.2%、令和7年度は63.3%でした。ただし合格率は年度により変動するため、受検前に実施機関の最新公表値をご確認ください。

令和8年度(2026年度)の試験はいつですか。

令和8年度の1級管工事施工管理技術検定は、第一次検定が令和8年9月6日(日)、第二次検定が令和8年12月6日(日)です。インターネット申込受付は令和8年5月7日(木)〜5月21日(木)で、受検手数料は第一次・第二次とも各12,700円(非課税、別途事務手続手数料250円)です。最新の詳細は実施機関の受検の手引でご確認ください。

取得すると年収はどのくらい上がりますか。

一律の増額は示せません。資格手当の有無・金額、取得後の役割、求人の提示条件を会社規程と求人票で確認してください。確認方法は管工事施工管理の年収1級・2級と年収の関係をご覧ください。