2級電気通信工事施工管理技士は、光ファイバー・LAN・無線・放送設備といった通信インフラ工事の主任技術者の資格要件に関係する国家資格です。令和6年度(2024年度)の制度改正後は、第一次検定が17歳以上であれば実務経験不要で受検でき、実務経験は第二次検定で問われる仕組みになりました。合格率は第一次が6〜8割台、第二次が5〜6割台と、技術検定のなかでも比較的届きやすい水準です。
電気通信工事施工管理技士は2019年に新設された区分です。資格そのものの全体像は電気通信工事施工管理技士の資格解説、仕事内容は電気通信施工管理とはもあわせてご覧ください。この記事では、2級に絞って資格の位置づけ、受検資格、試験概要、合格率、難易度を整理します。
この記事の要点
- 2級電気通信工事施工管理技士は、通信工事の主任技術者等の資格要件に関係する国家資格です。
- 第一次検定は当該年度末に17歳以上なら誰でも受検可能。第二次検定は第一次合格後に実務経験3年以上などが必要です(令和6年度改正後)。
- 令和7年度(2025年度)の合格率は第一次(後期合算)78.0%・第二次63.2%。前年より高い水準でしたが、合格率は年度で変動します。
- 令和8年度(2026年度)の第一次のみ前期は6月7日、第一次(後期)・第二次は11月15日に実施。同時受検の手数料は14,300円です。
2級電気通信工事施工管理技士で何ができるか
2級電気通信工事施工管理技士は、対応する通信工事で主任技術者等の資格要件に関係します。実際の配置には、担当工事との対応、実務経験、雇用関係などの条件確認が必要です。技術検定は建設業法に基づき国土交通大臣が行う国家資格で、電気通信工事は7種目の一つです。種目全体の整理は施工管理の種類を参考にしてください。
主任技術者と監理技術者・1級との関係
建設工事では、軽微なものを除き工事現場に主任技術者の配置が必要で、一定規模以上(下請代金総額5,000万円以上、建築一式工事は8,000万円以上)の元請工事では監理技術者の配置が求められます。1級・2級施工管理技士は、対応する工事で監理技術者・主任技術者等の資格要件に関係する、という関係です。
つまり2級は中小規模の通信工事現場を主に担当し、大規模工事の監理技術者を目指すなら1級が必要になります。1級との違いやステップアップの考え方は1級電気通信工事施工管理技士の解説、級ごとの立場の違いは施工管理 1級・2級の違いで詳しく扱っています。
技士補(第一次検定合格者)の位置づけ
技術検定は第一次検定と第二次検定に分かれ、第一次検定の合格者には級・種目名を冠する「技士補」、第二次検定の合格者には「技士」の称号が与えられます。技士補は令和3年(2021年)4月の制度改正で新設された称号です。2級電気通信工事施工管理技士補は、第二次検定の受検資格につながるステップであり、まず第一次に合格して技士補となり、実務経験を積んで第二次に挑む流れが基本になります。
営業所技術者等としての扱いは、許可業種、一般・特定の区分、常勤性などの要件を確認する必要があります。資格の社会的な位置づけは施工管理技士とはもご確認ください。
受検資格(令和6年度改正後)
結論として、第一次検定は受検年度末に17歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受検できます。これは令和6年度(2024年度)の制度改正後も従前から変わっていません。一方、第二次検定は実務経験が必要です。受検資格の全体像は施工管理の受験資格もあわせてご覧ください。
第二次検定の受検資格
令和6年度以降、2級第二次検定の受検資格は次のいずれかです。
- 2級第一次検定の合格後、実務経験3年以上(建設機械種目は2年以上)
- 1級第一次検定の合格後、実務経験1年以上
実務経験は、通信工事の施工計画・工程管理・品質管理・安全管理などに関わった経験が対象です。なお令和6年度から令和10年度(2028年度)までは経過措置期間とされ、第二次検定は旧受検資格と新受検資格を選択できます。未経験から実務経験を積む流れは施工管理は未経験から、過去問を使った学習の進め方は施工管理の過去問・勉強法を参考にしてください。
試験概要(科目・形式・令和8年度日程・手数料)
2級電気通信工事施工管理技術検定は、第一次検定(マークシート方式)と第二次検定(記述式中心)で構成されます。第一次は電気通信工学等・施工管理法・法規の各分野から出題され、第二次は施工管理法を中心に、経験記述を含む記述式が問われます。一次・二次の検定対策の考え方は一次検定・二次検定対策で整理しています。
実施機関は一般財団法人全国建設研修センターです。第一次検定のみであれば前期・後期の年2回、第一次・第二次の同時受検は年1回(後期)に実施されます。区分横断の日程感は施工管理の試験日程もご確認ください。
| 区分 | 申込受付 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 第一次検定のみ(前期) | 令和8年3月4日〜3月18日 | 令和8年6月7日(日) | 令和8年7月7日(火) |
| 第一次(後期)・第二次検定 | 令和8年7月14日〜7月28日 | 令和8年11月15日(日) | 第一次後期:令和9年1月5日(火)/第二次:令和9年3月3日(水) |
受検手数料(令和8年度/いずれも消費税非課税)は、第一次・第二次の同時受検が14,300円、第一次検定のみ・第二次検定のみがそれぞれ7,150円です。インターネット申込の場合は別途、事務手続手数料250円(税込)がかかります。最新の日程・手数料・申込方法は受検前に実施機関の公式情報で必ずご確認ください。
合格率(令和6年度→令和7年度の推移)
2級電気通信工事施工管理技術検定の合格率は、第一次が6〜8割台、第二次が5〜6割台で推移しています。令和7年度(2025年度)は第一次(後期合算)78.0%・第二次63.2%と、前年の令和6年度(2024年度)より高めの結果でした。ただし合格率は年度により変動するため、受検前に実施機関の最新公表値を確認してください。
| 検定 | 令和6年度(2024) | 令和7年度(2025) |
|---|---|---|
| 第一次検定(前期) | 59.5%(受検1,334人/合格794人) | 76.5%(受検1,084人/合格829人) |
| 第一次検定(後期合算) | 68.6%(受検2,169人/合格1,488人) | 78.0%(受検1,920人/合格1,498人) |
| 第二次検定 | 53.2%(受検2,843人/合格1,512人) | 63.2%(受検2,324人/合格1,468人) |
同じ通信系の上位資格である1級は、令和7年度(2025年度)で第一次69.2%・第二次36.3%でした。1級は第二次の記述で大きく絞られる傾向があり、2級のほうが二次まで含めて届きやすいことがわかります。他区分との比較も含めた難易度の全体像は施工管理の難易度・合格率を参照してください。
難易度と勉強時間
2級電気通信工事施工管理技士の難易度は、技術検定のなかでは標準的かやや易しめです。第一次はマークシート方式で、過去問の反復が効きやすい構成です。第二次は記述式で、特に経験記述(自分が関わった通信工事を題材に工程・品質・安全管理を記述する設問)が山場になります。
勉強時間の目安は、区分共通の2級水準としておおむね100〜150時間です。働きながらの場合、第一次対策に2〜3か月、第二次の記述準備に1〜2か月をみておくと無理がありません。1日30分〜1時間のスキマ学習でも、試験日の3〜4か月前から始めれば十分に間に合う水準です。
新設区分のため過去問の蓄積は他区分より少なめですが、第一次は過去問3〜5年分を最低3周、第二次は経験記述を2〜3パターン用意して書き慣れておくのが基本戦略です。具体的な進め方や合格基準(第一次は得点率60%程度が目安)は施工管理の過去問・勉強法で詳しく解説しています。IT・通信業界の実務者であれば、通信工学の素地を活かして第一次を有利に進めやすい一方、施工管理法・法規は意識的に補う必要があります。
取得後に確認すること(手当・求人条件)
2級電気通信工事施工管理技士を取得する最大のメリットは、主任技術者として現場を任され、資格手当や転職市場での評価につながる点です。
資格手当と年収への影響
施工管理技士の資格手当は会社ごとに有無・金額・支給条件が異なります。年収面では、建設分野の技術者は厚生労働省の令和6年(2024年)賃金構造基本統計調査でおおむね600万円台が示されていますが、電気通信区分や資格だけの効果を示す数値ではありません。資格手当の確認方法は施工管理の資格手当・将来性、年収の全体像は施工管理の年収を参考にしてください。
転職市場での価値とIT/通信からの転入
IT・通信業界で配線設計やネットワーク構築に携わった経験は、電気通信工事の知識を理解する際に役立つ場合があります。ただし、施工管理技士の第二次検定で認められる実務経験や、取得後の配置要件は別途確認が必要です。求人での評価も担当工事、施工管理経験、勤務地などにより異なります。
未経験から目指す場合の入口や、通信工事の施工管理求人は次のリンクから確認できます。求人は電気通信の施工管理求人、未経験スタートの考え方は施工管理は未経験からが参考になります。2級から進むか、年齢要件を満たして1級電気通信工事施工管理技士の第一次検定から受検するかは、担当工事と第二次検定の受検経路を確認して決めてください。
よくある質問
2級電気通信工事施工管理技士は未経験でも受けられますか。
第一次検定は、受検年度末に17歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受検できます。実務経験が問われるのは第二次検定で、2級第一次合格後に実務経験3年以上(または1級第一次合格後に1年以上)が必要です。まず第一次に合格して技士補となり、実務経験を積んで第二次に進む流れが一般的です。
合格率はどのくらいですか。
令和7年度(2025年度)は第一次(後期合算)が78.0%、第二次が63.2%でした。令和6年度(2024年度)は第一次(後期合算)68.6%・第二次53.2%で、前年より高い水準でした。ただし合格率は年度によって変動するため、受検前に実施機関(全国建設研修センター)の最新公表値を必ずご確認ください。
勉強時間はどのくらい必要ですか。
2級水準ではおおむね100〜150時間が目安です。第一次対策に2〜3か月、第二次の記述準備に1〜2か月をみておくと安心です。第一次は過去問を3〜5年分・最低3周、第二次は経験記述を2〜3パターン準備しておくのが基本です。学習法の詳細は施工管理の過去問・勉強法のページをご覧ください。
2級と1級はどちらを取るべきですか。
2級は対応する工事で主任技術者等、1級は監理技術者・主任技術者等の資格要件に関係します。実際の配置や営業所技術者等としての扱いには、工事内容、実務経験、雇用関係など別の条件も必要です。受検する級は、担当工事と第二次検定の受検経路を確認して選んでください。
IT・通信業界からの転職でも有利になりますか。
ネットワークや通信設備の知識を評価する求人はありますが、施工管理の実務経験、担当可能な工事、勤務地なども選考条件になります。資格を必須・歓迎条件にしているか、入社後にどの業務を担当するかを募集企業に確認してください。