結論から言うと、スーパーゼネコン5社(鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店)の平均年収はおおむね1,000万円超の水準が有価証券報告書で公表されています。ただしこれは現場監督(施工管理)職に限った数字ではなく、設計・営業・本社部門も含めた全社員の平均である点に注意が必要です。この記事では、各社の公表値を「全社員平均」として整理し、求人票で確認すべき給与内訳、役職、勤務地、転勤条件を解説します。具体的な金額は変動するため、最終的な数値は各社IR・有価証券報告書でご確認ください。
この記事の要点
スーパーゼネコン5社の平均年収は有報ベースで1,000万円超の水準ですが、これは全社員平均で施工管理職に限った値ではありません。応募先を比較するときは、平均年間給与ではなく、募集職種の基本給、固定残業代、賞与、手当、転勤範囲を確認します。
- スーパーゼネコン5社の平均年収は有報ベースでおおむね1,000万円超の水準(全社員平均・目安)
- これは施工管理職限定の値ではなく、設計・本社部門を含む全社員の平均
- 建設技術者全体の統計と有報の全社員平均は、算出対象が異なるため単純比較しない
- 中小・地場との差は大きいが、大手は転勤・大型案件のプレッシャーも伴う
- 応募前に資格要件・担当工事・役職・給与内訳を確認する
スーパーゼネコンとは|5社の位置づけ
スーパーゼネコンとは、売上高・施工能力ともに国内最大級の総合建設会社5社を指す通称です。具体的には鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の5社で、いずれも超高層ビルやダム、トンネル、大規模再開発などの高難度・大型案件を数多く手がけています。
これらの企業は大規模案件を多く手がけ、給与制度・福利厚生も各社が公表しています。ただし、全社員平均や企業規模だけで、現場監督(施工管理)職の入社時条件は判断できません。なお「現場監督」と「施工管理」は求人上ほぼ同じ仕事を指すことがあります(現場監督とは)。
スーパーゼネコン5社の平均年収(有報ベース・目安)
結論として、スーパーゼネコン5社の平均年収はいずれも1,000万円超の水準が有価証券報告書で公表されています。ただし、これは設計・営業・管理部門なども含めた全社員平均であり、現場監督職単独の年収ではない点を必ず押さえてください。
| 会社名 | 平均年収の水準(全社員平均・目安) | 出典 |
|---|---|---|
| 鹿島建設 | おおむね1,000万円超 | 各社 有価証券報告書(IR) |
| 大林組 | おおむね1,000万円超 | 各社 有価証券報告書(IR) |
| 大成建設 | おおむね1,000万円超 | 各社 有価証券報告書(IR) |
| 清水建設 | おおむね1,000万円超 | 各社 有価証券報告書(IR) |
| 竹中工務店 | おおむね1,000万円超 | 各社 有価証券報告書(IR) |
有価証券報告書の「平均年間給与」は、提出会社(単体)の従業員全体を対象に算出された数値です。つまり、若手の担当者からベテランの管理職、さらに本社のスタッフ部門までが平均に含まれます。したがって、入社直後の現場監督がいきなりこの金額になるわけではなく、年齢・役職・経験を重ねた結果としての全社平均と理解するのが正確です。各社の最新値は変動するため、必ず各社IRページの有価証券報告書で最新の「平均年間給与」をご確認ください。
年収ランキングの形で各社を比較したい場合は大手ゼネコンの現場監督の年収、施工管理全体の年収相場は施工管理の年収もあわせてご覧ください。
建設技術者全体の平均年収との比較
下表の目安どうしを並べると、スーパーゼネコンの全社員平均は建設技術者全体の統計より高い水準にあり、大手ゼネコンが業界平均を上回りやすい傾向が読み取れます。ただし両者は算出対象が異なります。建設技術者の統計は職種区分の参考値であり、有価証券報告書の平均年間給与は提出会社の従業員全体の平均です。現場監督個人の提示額を判断する材料としては、求人票の給与内訳を優先してください。
| 区分 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 建設技術者全体(全年齢) | 概ね600万円台 |
| 建設技術者・55〜59歳(ピーク) | 800万円前後 |
| スーパーゼネコン(全社員平均・目安) | おおむね1,000万円超 |
※建設技術者の数値は厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(e-Stat)に基づく目安、スーパーゼネコンの数値は各社有価証券報告書の全社員平均です。算出対象が異なるため、現場監督個人の提示額を判断する材料としては求人票の給与内訳を優先してください。年齢別の確認方法は現場監督の年収で詳しく解説しています。
大手ゼネコンの年収が高い理由
大手ゼネコンの給与条件を見るときは、会社の収益力だけでなく、役職、評価制度、賞与、手当、勤務地、転勤範囲を分けて確認します。有価証券報告書の平均年間給与と、募集職種の提示条件は別の情報です。
- 案件規模:超高層・再開発・インフラなどの大型案件を担当する可能性
- 基本給・賞与:月給、賞与実績、評価基準、入社初年度の扱い
- 資格手当・各種手当:対象資格、金額、併給可否、住宅・家族手当など
- 福利厚生・退職金制度:額面年収に表れない制度の対象条件
一方で、大手は転勤や大型案件特有のプレッシャーを伴うことも多く、年収だけでなく働き方とのバランスで判断することが大切です。
中小・準大手ゼネコンとの差
同じ現場監督でも、会社規模によって給与制度や担当案件は変わります。ただし、会社規模だけで個人の提示額は決まりません。募集職種、役職、勤務地、転勤、残業、賞与、手当をそろえて比較します。
| 会社規模 | 年収水準の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| スーパーゼネコン | 全社員平均が高い会社もある | 大型案件・転勤・役割範囲を確認 |
| 準大手・中堅ゼネコン | 会社差がある | 地域・分野の強み、賞与、手当を確認 |
| 中小・地場ゼネコン | 会社差が大きい | 転勤範囲、休日、残業、退職金を確認 |
年収だけで優劣は決められません。中小・地場には転勤が少なく地域に根ざして働ける会社もあり、大手は大型案件や転勤を伴う場合があります。自分が何を優先するかを決めて比較することが大切です(施工管理はきつい?、ホワイトな施工管理求人)。
大手求人で確認する3つの条件
大手ゼネコンの求人を確認するときは、「資格要件」「大型案件の実務経験」「マネジメント・調整力の実績」の3点を見ます。これらは応募条件や評価対象になりやすい一方、増額を保証するものではありません。
- 1級施工管理技士の扱い:応募条件、配置要件、資格手当、取得支援の有無
- 大型案件の実務経験:担当工事の規模、役割、管理範囲を具体的に説明できるか
- マネジメント・調整力の実績:所長候補・管理職候補として何を評価されるか
なお、令和6年度から1級の第一次検定は19歳以上で受検できるよう受検資格が見直されました(国土交通省)。早い段階から1級を意識してキャリアを設計しやすくなっています。土木の1級では令和6年度の合格率が第一次44.4%・第二次41.2%(全国建設研修センター/国土交通省 令和6年度)です。合格率・試験制度は年度により変わるため、受検前に公式情報を確認してください。資格全体の概要は施工管理技士とは、難易度の比較は施工管理技士の難易度を参考にしてください。
中小から大手ゼネコンへ転職するには
中小から大手・準大手への転職を検討する場合は、応募条件と自分の実績を照合します。1級資格や実務実績が歓迎条件になる求人はありますが、採否や提示額は求人ごとの条件で変わります。
転職を検討する前に、担当した工事の規模、役割、工夫した点、保有資格、マネジメント経験を具体的に整理しておくことが重要です。「どんな案件で、どの工程を、どう管理したか」を数字とエピソードで示せると、応募書類や面接で説明しやすくなります。進め方の詳細は施工管理の転職を成功させる方法、現場監督に特化した動き方は現場監督の転職にまとめています。
給与条件を比較できる施工管理求人を探す
基本給・残業・休日・勤務地を確認したい方へ。 → 施工管理の求人を見る / 好待遇・残業少なめの求人を見る
参考|他区分の1級合格率(令和6年度)
1級施工管理技士は、区分によって合格率が異なります。令和6年度の主な区分は次のとおりです。応募条件や配置要件との関係は求人・工事条件により異なるため、資格だけで提示年収が決まるわけではありません。
| 区分(1級) | 第一次 | 第二次 |
|---|---|---|
| 土木 | 44.4% | 41.2% |
| 建築 | 36.2% | 40.8% |
| 電気工事 | 36.7% | 49.6% |
| 管工事 | 52.3% | 76.2% |
※土木は全国建設研修センター/国土交通省、建築・電気・管工事は建設業振興基金(いずれも令和6年度)。合格率・試験制度は年度により変わるため、受検前に必ず各実施機関の公式情報をご確認ください。土木区分の詳細は土木施工管理の仕事で解説しています。
年収だけで会社を選ばないために
スーパーゼネコンは全社員平均が高い会社もありますが、年収だけで判断すると後悔することもあります。提示年収、労働時間、休日、転勤の有無、担当工事を総合的に見て、長く働き続けられるかを確認してください。
大手は大型案件の責任や転勤を伴う場合があり、働き方の負荷も確認が必要です。逆に、地場の企業のなかには、残業や転勤が少なく長く働ける会社もあります。年収・働き方・キャリアの3軸で比較し、自分に合った選択をしましょう。年収アップ全般の考え方は施工管理の年収、向き不向きの整理は施工管理をやめとけと言われる理由も参考になります。
よくある質問(FAQ)
スーパーゼネコンの現場監督は本当に年収1,000万円超えますか?
有価証券報告書の平均年収はおおむね1,000万円超の水準ですが、これは設計・本社部門も含む全社員平均です。現場監督職に限った数字ではなく、若手の段階からこの金額になるわけではありません。あくまで「経験と役職を重ねた全社平均」として目安に捉えてください。
中小ゼネコンから大手へ転職できますか?
可能な求人はあります。1級施工管理技士や大型案件の実務実績が応募条件・歓迎条件になる場合があるため、募集要項と自分の担当実績を照合してください。
スーパーゼネコンと業界平均の差はどのくらいですか?
建設技術者全体の統計とスーパーゼネコンの全社員平均は、算出対象が異なります。差額をそのまま現場監督職の給与差として扱わず、求人票の給与内訳で確認してください。
大手で年収を上げる一番の近道は?
近道を一律には示せません。1級施工管理技士、大型案件の実務経験、マネジメント実績が応募条件に関係する場合はありますが、提示額は求人・役職・勤務地・給与制度で変わります。
各社の最新の平均年収はどこで確認できますか?
各社のIRページで公開されている有価証券報告書の「平均年間給与」で確認できます。数値は毎年変動するため、最新版を直接ご確認ください。
まとめ
スーパーゼネコン5社(鹿島・大林・大成・清水・竹中)の平均年収は有報ベースでおおむね1,000万円超の水準ですが、これは全社員平均であり、現場監督職単独の年収ではない点に注意が必要です。建設技術者全体の統計とも算出対象が異なるため、個別の条件は求人票の基本給、固定残業代、賞与、手当、役職、勤務地、転勤範囲で確認してください。次に読むなら、現場監督の年収、大手ゼネコンの現場監督の年収、施工管理の転職を成功させる方法がおすすめです。